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お掃除が子どもの豊かな心を育む。 栄水化学「エコピカはかせ」が伝えたいお掃除の魔法 | ツムグバ

レポート

2000.06.20
お掃除が子どもの豊かな心を育む。 栄水化学「エコピカはかせ」が伝えたいお掃除の魔法

 

お掃除は楽しいこと? 面倒なこと?

 

どちらかといえば、後者に手をあげる方のほうが多いかもしれませんね。でも、重い腰を上げてお掃除をしてみると、心がスッキリしたり、綺麗にしたことを誰かに感謝されたり。不思議と、いい気持ちになれることがほとんどではないでしょうか。

 

そんな、お掃除が持つ「魔法」に着目したのが、尼崎市で清掃業を営む『株式会社栄水化学』の代表

松本 久晃さんです。

 

本業である清掃業を展開するなか、3〜12歳の子どもを対象とした『エコピカはかせのおそうじ塾』に取り組む松本さん。お掃除の方法を楽しく学びながら、自発性や協調性、思いやりなど、「自立した豊かな心を育む」ための授業を行っています。

 

エコピカはかせのおそうじ塾は、どのような授業内容なのか。お掃除と子どもの教育には、どのような関係性があるのか。今回、松本さんに詳しいお話をお聞きしました。

 

授業内容は全てカスタマイズ!お掃除を楽しく教えるエコピカはかせ

 

1959年にワックスメーカーとして創業し、1965年に清掃業に転換した栄水化学。創業者の祖父、2代目の父を受け継ぎ、松本さんは3代目。兵庫県や大阪府を中心に、セキュリティが厳しい「銀行」や特殊な汚れのある「病院」など、難易度の高い環境での清掃を得意としています。

 

 

2013年に本格的にスタートした、エコピカはかせのおそうじ塾。これまで実施した授業は30回以上。尼崎市の幼稚園、保育所、小学校のほか、放課後デイサービスや自社オフィス、尼崎主催のイベント(『みんなのサマーセミナー』など)で行っています。また、2018年には、文部科学省の『平成29年度 青少年の体験活動推進企業表彰』にて『文部科学大臣賞』も受賞しました。

 

 

「掃除は面倒なことの代表格。でも、それをいかに楽しくするか、おもしろくするのかに僕たちは着目しています」と松本さん。

 

例えば、体に優しいクエン酸で自分の上履きを綺麗にしたり、廃材を活かしたお掃除グッズや重曹の入浴剤を作ってみたり。白衣姿、白いひげ、白い髪型、黒縁の眼鏡が特徴のキャラクター「エコピカはかせ」として、松本さん自身が教壇に立ち、お掃除のおもしろさを教えています。

 

 

授業の内容は全てカスタマイズ。まずは、依頼先から現状の悩みなどをヒアリングすることから始めます。

 

「小学校であれば、担任の先生の困りごとを聞いたり、子どもたちの様子を数回に分けて視察したりします。私たちが気づいたことを提案させていただきながら、その学校に合ったオリジナルの授業内容を考えてます」

 

カリキュラムを汎用させることもありますが、あくまでも部分的。学校の雰囲気や受講する子どもたちの年齢によっても伝え方が変わってきます。

 

「例えば、雑巾の絞り方を伝えるとき、低学年には丁寧に、おもしろおかしく説明しています。高学年には実演を見せるだけで理解してくれますが、逆に『なぜ、その絞り方がいいのか?』を説明しないといけません。5〜6年生くらいになると、自分の考え方を持っている子が多いので、教えることの理由をしっかりと伝えないと受け入れてくれないんです」

 

 

単純に授業を受けたり、工作をしたりするのではなく、「なぜ、役立つのか?」「どのような原理があるのか?」を分かりやすく解説。対象の年齢によって、授業のシナリオをつくり込んでいます。

 

そして、大事なのは授業を終えたあと。理解度を定着させるための「おさらいシート」や習慣化を図るための「スタンプカード」など、子どもたちに習ったことを続けてもらう工夫も凝らしています。

 

「僕たちの目的は授業をすることではなく、子どもたちに成長してもらうこと。習慣化させるために、先生方や親御さんたちに、学んだことを継続できるような仕組みやコミュニケーションの取り方をお伝えしています」

 

 

また、振り返りをするのは、子どもたちだけではありません。運営する側も、当日の所感や事後アンケートをもとに、授業内容の反省・改善に努めています。

 

エコピカはかせのおそうじ塾に取り組んでいるのは、若手社員のほか、大学生インターンが中心。2015年からは半年間の長期実践型インターンシップも実施しており、依頼主に対するヒアリングから授業内容の企画、実施、反省・改善まで、ひと通りを任せています。

 

自ら考え、実践する、責任感ある仕事を担うことで、子どもだけでなく、運営する側も成長できる機会。インターンを経て新卒入社した方がいるほか、2018年には『学生が選ぶインターンシップアワード』にて優秀賞も受賞しています。

 

 

エコピカはかせのおそうじ塾を受けた子どもの変化について、親御さんに尋ねると、「お掃除が楽しいと言うようになった」「自ら進んでお手伝いをしてくれるようになった」という声があがります。

 

また、「自社オフィスで実施している授業でも、参加してまもない子と数年通っている子には差が見えてくる」と松本さん。玄関先で靴を揃える、人の話を落ち着いて聞く、やるべきことをちゃんとやる、家に帰っても習慣化されているそうです。

 

1回の授業で大きく変わることはないかもしれません。でも、お掃除の楽しさは確実に伝わり、子どもたちが少しずつ成長するきっかけになっています。

 

ありがとうの言葉が子どもの心を磨く

 

エコピカはかせのおそうじ塾が始まったきっかけのひとつに、尼崎市が抱える教育環境の課題があります。

 

昔は当たり前だった地域の教育(しつけ)が希薄化したり、共働きによって親と子どもの接触時間が減少したり。子どもの「教育」に関わる課題が取り沙汰されていますが、尼崎市も例外ではありません。

 

その事実を受けった松本さんは考えます。尼崎市で清掃業を営んできた会社として力になれないか。清掃や汚れたところを綺麗にすることが、子どもたちの教育に役立てられないか。そこで、思い至ったのが、エコピカはかせのおそうじ塾です。

 

また、お掃除には、自発性や協調性を養う力があると気づいたのは、松本さん自身の体験がもとになっています。

 

「小さい頃から掃除は身近な存在でした。当時は面倒だなと思うこともありましたが、やってみると、心がスッキリした自分がいる。整理整頓すると、気持ちが落ち着く。逆に身の周りが乱れると、精神も乱れる。心と環境は密接にリンクしていると気づいたんです」

また、「掃除の一番のおもしろさは、自分の行なった行為が目に見えること。実は、掃除をした人間が一番達成感を得られるんです」と松本さん。

 

「自分が掃除をすることで、身の周りの人から『ありがとう』と喜んでもらえる。嬉しくなって、もう少し頑張ってみようかなと思う。そこで初めて、『自発性』が芽生えます」

 

人から喜んでもらえる、嬉しいという感情を機会が多いほど、自ら問題を見つける能力や工夫する力が身につき、感謝されることに対して、思いやりの心や感謝する心が育まれる。お掃除には、自立した豊かな心の教育につながる要素がたくさん詰まっているのです。

 

「弊社では、経営理念に『人財づくり』を掲げています。社内でも自立心や思いやりの心を伸ばすことを大切にしていて、さながら大人版・エコピカはかせのおそうじ塾です」

 

「掃除を通じて『心』を育めば、会社では職場環境や人間関係の問題が緩和され、学校ではチームワークの強いクラスができて、イジメなんてものはなくなると思うんです。見た目を綺麗にするだけでなく、その場にいる人たちの気持ちも整える。そんな日本人ならではの掃除に対する価値観を、スタッフや子どもたちに伝えていきたいですね」

 

生まれ育った尼崎市を「おもしろいまち」にしたい

 

エコピカはかせのおそうじ塾を通して、子どもたちの心を育む。これは、松本さんが描くビジョンの枝葉のひとつです。

 

「栄水化学があることで、尼崎が変わっていく、良くなっていく、そんな存在になりたいと思います。スタッフが地域で清掃に励むのはもちろん、子どもたちが成長したり、地域側からいろんな相談を持ちかけられたり、尼崎に欠かせない会社でありたい。この想いを表したのが、『心と身体がHAPPYになれる環境をつくる』というビジョンです」

 

また、「生まれ育った尼崎市にこだわりたい」と松本さん。エコピカはかせのおそうじ塾を市外で行うつもりはなく、逆にエコピカはかせに会うために、尼崎市を訪ねてくれる人が増えるとうれしいと話します。

 

「尼崎市で体験できることに価値を置きたいんです。今後は、エコピカはかせのおそうじ塾のような、日常に根ざした学びや経験を得られる機会をいろんな人と協業して増やしていきたい。尼崎市をおもしろいまちにしたいんです」

 

私たちが生活する上で切り離せないお掃除。面倒だし、できれば誰かに任せてしまいたいなと思うけれど、自分で取り組むからこそ、心がスッキリするし、前向きになれるし、誰かから感謝もしてもらえる。そんな、素敵な魅力を秘めています。

 

そして、お掃除の楽しさについて、子ども自体に身をもって体験できれば、その後の人生はとても豊かなものになるだろうなと想像せずにはいられません。

 

もし、エコピカはかせのおそうじ塾を体験してみたいという方は、エコピカはかせがゲスト出演する尼崎市のイベントを訪ねてみてください。子どもたちと一緒に、あなた自身も、お掃除が持つ「魔法」に魅せられるはずです。